忠行がこの世を去って幾年もの季節が巡った。
京の都に帝は居わせども政は武士の手に委ねられて行く。
幾度の戦乱が続き都も多大な被害を蒙った。
天文の安倍家・暦道の賀茂家と謳われた両家であったがこの時代に賀茂家はとうとう嫡流が途絶える。
暦道を安倍家が兼任する形で以後両道とも安倍家が独占していくこととなる。

後の世に神と祀られた某神社は彼の男の住居跡ではない。
本より鎮められる事も無く彼の系譜は明治の世に陰陽寮が廃止されるまで続く事と成った。

ならば・・彼の男は何処に存するのか・・・
彼の男は今でも摩利支天に護られて京の都を眺めて居るのだ。
彼の男の姿を隠し護るため摩利支天は日々その力を強大にして行く。
知ってか知らずか京の人々は摩利支天に呪をかける。
・・・大文字の送り火「大」は如意ヶ嶽に点火・・・
誰もがそう口にする。
この呪が前山である摩利支天に力を与える事を何人の人が気づくのであろうか。
決して都から眺める事の出来ぬ如意ヶ嶽は毎年行われる呪によってさらに強大になる摩利支天に今でも護られている。

木・・火・・・土・・金・・水・・・
全てを備えた摩利支天は何処まで強大になって行くのだろうか。

今年も呪が唱えられる。
「如意ヶ嶽に大文字の送り火」
「大の字は如意ヶ嶽」
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